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自主調査結果
震災後の社会生活に必要な価値観に関する意識調査(2011年10月実施)
震災から半年後の全国 1 万人調査で判明!!!
顕在化した社会との”かかわり”を重視する価値観 『SQ』<ソーシャル・クオーシェント>
~ 日本人の価値基準は、「IQ」 「EQ」から『SQ』へ ~
大震災から半年。社会的自粛に始まり、被災地への支援/貢献活動、節電に代表されるライフスタイルの見直しなど生活者の意識が急速に変化した中、マーケティング会社である株式会社シタシオンジャパン(所在地: 東京都中央区 代表取締役会長兼社長:小出紘道)は、著書「カーニヴァル化する社会」、「わたしたち消費」に代表される現代社会の新たな潮流分析に定評のある関西学院大学社会学部の鈴木謙介准教授監修の下、「震災後の社会生活における価値観の意識調査」を、全国1万人の20代~60代の男女に対し、実施いたしました。
【調査実施期間:2011年9月10日~12日】
調査では、 コミュニケーション、ライフスタイルなどの社会生活全般における価値観を中心に現状意識を聞きました。分析結果から、生活者の中で日常生活において、“社会とのかかわりを重視する価値観”が強く見られ、その意識が顕在化していることが明らかとなりました。
そのような意識を持つ生活者について鈴木准教授は、「多くの人々の生活意識は、震災前後で社会性が高まっており、加えて現在の生活志向においても、周囲との関係性を重視する意識が見受けられた」と分析。
その“社会性を求める気持ち、家族や身近な友人以外の他者とのかかわりも求め、協力し合う心。この価値判断の基準”を、『SQ』<かかわりの価値基準>と定義しました。これは、生活者が日常生活で意識していくべき価値観であり、今後の日本社会を生き抜くために必要な価値基準として考えられると論じています。
【関西学院大学社会学部 准教授 鈴木謙介氏との共同調査 分析結果サマリー】
(1) 震災後の世の中で変化した価値観。 生活者は今、”かかわり”を重視する傾向に。 ・今後、社会生活で大切だと感じることは、「経済成長や雇用創出、グローバル化」よりも「社会的配慮」! (2) 調査結果から浮上したキーワード。「他者への貢献」、「広範囲での協力」、「モノより心」、「次世代志向」。 ・「他者への貢献」 ・「広範囲で協力」 ・「モノより心」 ・「次世代志向」 (3) 【分析総括/関西学院大学社会学部 准教授 鈴木謙介氏】 ・社会性を求める気持ち、家族や身近な友人以外の他者との”かかわり”を求め、協力し合う心。 ・「他人とのかかわり、思いやりを重視する」=SQ的生き方が幸せの基準に ・地域との”かかわり”こそが、今の日本に必要な『SQ社会』をもたらす |
※リリース内容 一部抜粋 |
(1) 震災後の世の中で変化した価値観。 生活者は今、”かかわり”を重視する傾向に。
今後、社会生活で大切だと感じることは、経済成長や雇用創出、グローバル化よりも社会的配慮!!
初めに、日常生活上の意識・行動について、震災前後での変化を計るため、複数項目を聞きました。
「震災を機に身の回りで変化のあった習慣や意識の変化の有無」について聞いたところ、いずれも震災前に比べ、意識が高まりを見せていることが明らかになりました。公共の場における思いやり・配慮や環境資源への考え方、道徳意識など、震災から半年を経て、生活者一人一人の社会と前向きにかかわる意識が、日々向上していると考えられます。【図表1】
【図表1】震災前後の行動の変化 (SA:TOP2 回答) | <n=10,000> | |
設問 | 震災前 | 震災後 |
電車やバスなど、優先席ではなくとも席を譲るようになった | 57.8% | 64.7% |
今まで以上に、丁寧にゴミを分別するようになった | 58.2% | 68.0% |
自宅以外の場所でも、水を無駄にしないようになった | 53.3% | 72.9% |
待ち合わせや会議に遅れないように、時間を守るようになった | 67.5% | 74.5% |
さらに、今後の社会生活において、重要だと意識していることを聞くと、「経済成長」や「雇用創出」、「グローバル化」など日本社会においてその将来が懸念されていることよりも、「他人を思いやる心」88.9%、「他人との助け合い」83.1%、「環境への配慮」83%などへの関心が高いことが分かりました。生活者の視点は、目先の問題よりも、周囲とのかかわりを育むことが大切と考えているようです。【図表2】
(3) 【分析総括/関西学院大学社会学部 准教授 鈴木謙介氏】
■今後、生活者に求められるライフスキルは、『SQ』!!
前述までの調査結果を踏まえ、鈴木准教授は、 「従来、環境などへの社会的配慮は世の潮流として表れていましたが、震災により人々は生活の様々な局面で、社会性を軸に物事の善し悪しや行動を決める傾向になりました。さらに”人とのつながり、支え合い”を重視する傾向も強まったことが新たな社会的価値を生み出そうとしています。」と分析。
そして、「その“社会性を求める気持ち、家族や身近な友人以外の他者とのかかわりも求め、協力し合う心。この価値判断の基準”を、『SQ』<かかわりの価値基準>と定義します。前述の4キーワードの傾向にある通り、これは多くの生活者が意識している価値観であり、今後の日本社会で生きるために必要な価値基準と言えます」と語っています。【参考1】
■「他人とのかかわり、思いやりを重視する」=SQ的生き方が幸せの基準に
さらに、調査結果から、「“誰かのためになること、助けになることを幸せだと思う”という意見が、全体の5割以上に達しています。他人にかかわり、手助けをしたいという気持ちは、周囲だけでなく、自身にも幸福感をもたらす傾向にあり、社会的に良いサイクルを生み出すことが明らかになっています。」と語っています。
■地域との”かかわり”こそが、今の日本に必要な『SQ社会』をもたらす
そして、『SQ』においては、社会とのかかわり方の距離感も重要であるといいます。【参考2】
「例えば、人類の遠い未来を考えていたり、普遍的な価値を標榜したりすることは大事ですが、日常生活の中では少し距離感を感じてしまい、その意識が長続きしません。持続が難しいのです。一方、自分の家族や親しい人のみへ配慮する、自分世代のことまでしか考えられないのも好ましいとはいえません。『SQ』では、バランスがとれた考え方をすることが大切で、自分のできる範囲で無理なく社会と協力することが、最もレベルが高いと考えます。地道な社会貢献こそが、地域社会に「安らぎ」と「活力」をもたらし、頭打ちになりつつある国力を回復させる原動力にもなる。」と語っています。
■調査監修者:関西学院大学社会学部 准教授 鈴木謙介氏 1976年福岡県生まれ。専攻は理論社会学。情報化社会の最新の事例研究と、政治哲学を中心とした理論研究を架橋させながら独自の社会理論を展開している。 著書『カーニヴァル化する社会』(講談社)以降は、若者たちの実存や感覚をベースにした議論を提起しており、若年層の圧倒的な支持を集めている。 著書は『サブカル・ニッポンの新自由主義』(筑摩書房)ほか多数。現在、TV・ラジオ・雑誌など中心に幅広いメディアで活躍中。 |
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(注)ダニエル・ゴールマン氏「SQ」との関係性
「SQ」という言葉は、2007年、日本でも書籍発表されたダニエル・ゴールマン氏の「SQ(原題:ソーシャル・インテリジェンス)」にて、周囲との調和を重視し、社会生活においての適応力・コミュニケーション能力の重要性を唱える考え方が存在しました。
今回の「SQ」概念は、根底にある「周囲との調和」を機軸に残しながら、重んじる視点を「自分のため」から、「社会・他者のため」に広げた概念であり、日本人が今、実感している価値基準として提唱しています。
■消費意識調査 概要
◎「震災後の社会生活に必要な価値観に関する意識調査」
・調査対象者:全国の 20代-60代男女 合計 10,000名 ※国勢調査の人口分布に基づき割付
・有効回答数
調査方法 :インターネット調査
調査実施会社:株式会社シタシオンジャパン
調査実施期間:2011年9月10日(土)~9月12日(月)
■書籍のご案内
SQ Social Quotient “かかわり”の知能指数 書籍発刊のご案内
日常生活を送る中で、どれだけ「社会とのかかわり」を基準に行動しているかを測る指数。それがSQ。
気鋭の社会学者が説く、21世紀を生きる日本人の「新しい幸せのかたち」
あなたのSQ度を計れる”SQチェッカー”(チェッカー設計:株式会社シタシオンジャパン)も特設サイト内で発売日より公開予定。URL:http://www.d21.co.jp/SQ
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■書籍名:SQ Social Quotient “かかわり”の知能指数 ■著者:鈴木謙介 【関西学院大学 社会学部 准教授】 ■形式:四六版 単行本 ■発行所:株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン ■価格:1,575円(税込) ■発売日:2011年11月16日(水)予定 ■販売店:全国の有名書店、書籍販売店など ■オンライン通販:http://www.d21.co.jp/products/isbn9784799310830 |
<本リリース資料全般に関する報道関係者様 お問い合わせ先> 株式会社シタシオンジャパン「震災後の社会生活に必要な価値観に関する意識調査」 担当:田村、斉藤 |