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自主調査結果

“震災後初のボーナス” 消費に関する意識調査(2011年5月実施)


震災後初の”ボーナスシーズン”到来
消費低迷が懸念される中、現在の注目商品から市場活性化のカギを探る
~市場を牽引するのは、40~50 代男性の消費行動にあり!~


 3月11日に発生した東日本大震災後、初の”ボーナスシーズン”を迎えることになりました。
 ボーナスの民間支給額が、2年ぶりに減少する見通し(1)であると発表されるなど、消費低迷が懸念される中、マーケティング会社である株式会社シタシオンジャパン(所在地: 東京都台東区 代表取締役社長:小出紘道)は、流通ジャーナリストの金子哲雄氏監修の下、「”震災後初のボーナス”消費に関する意識調査」を、夏のボーナスを貰う予定の20-50代の男性1,000名に実施いたしました。
【意識調査実施日:2011年5月21日~22日】

 調査結果によると、約半数がボーナスの使い道を「貯蓄」と回答し、また例年との変化を見ると「貯蓄優先」の回答が「消費優先」の3 倍以上であることが判明。経済活性化の足がかりとなるべきボーナスシーズンでも、引き続き消費が低迷する可能性があることがわかりました。消費による市場活性化が求められる今、そのヒントを探るため、更に消費意識を分析すると、震災前に比べ「省エネ」「環境性」志向が高まっていることが明らかになりました。その要素を含んだ商品
を市場調査すると、「新型扇風機」「高級自転車」「新型ハイブリッドカー」などが支持されていることが判明。エネルギー不足・電力供給問題によってニーズが高まった省エネ・環境性能を有し、かつ高いデザイン性を兼ね備えた製品の注目が集まっていることがわかりました。さらに、それらの商品の購買層を分析すると、40-50 代男性を中心に支持されていることが明らかになりました。

 そのような意識を持つ40-50 代男性の消費行動について金子氏は、「震災前に行った消費意識調査(2011 年3 月1 日~2 日実施)では、バブル期から培った購買経験による”見た目”の判断(直感)に加え、商品の機能性(本質)をバランス良く捉えた”※二目惚れ買い(ふためぼれがい)”という特有の消費を行うことが判明しており、モノで自己意識を表現する世代であることが明らかになっている。さらに環境へ配慮する意識も高く、高額な商品でも機能性や社会性に優れれ
ば、購入に踏み切る傾向が強い。震災の影響で市場環境が変化した今後も、40-50 代男性が消費を牽引していく可能性は高い」と分析しました。

(1) 参考:2011 年4 月28 日みずほ総合研究所発表資料「2011 年夏季ボーナスの見通し」より

【流通ジャーナリスト 金子哲雄氏との共同調査 分析結果 サマリー】

① 夏のボーナスは、「消費」よりも「貯蓄」。経済の活性化にとって大きな痛手!

・夏のボーナスの使い道は、「貯蓄」が48.9%に対し、「高額商品の購入」は5.2%
・全体的に「消費」よりも「貯蓄」が優先される傾向。ただし、年代が上がるにつれて、その意識は低下。

② 消費意識は、「省エネ」「環境性」志向が一段と高まる!

・震災前後の意識変化で、より「省エネ」や「環境」に配慮された商品を選ぶ傾向に。特に40-50 代男性で顕著。

③ 【分析総括】 市場活性化のカギは?
「省エネ・環境性」×「デザイン性」が今後のヒット要因。
注目商品消費の牽引役は40-50 代男性

・「新型扇風機」「高級自転車」「新型ハイブリッドカー」など機能性とデザイン性を持つ商品に注目が集まる。支持層の中心は40-50 代男性。
・「省エネ」「環境」意識の高い40-50 代男性の消費行動が市場活性化に繋がる!(金子氏)


【参考】<2011 年3 月1 日~2 日実施調査>市場活性化のヒントを探る!40-50 代男性の消費特性
~バブル時代からの経験で培われた、彼ら特有の消費行動”※二目惚れ買い”とは~

① 夏のボーナスは、「消費」よりも「貯蓄」。経済サイクルの活性化にとって大きな痛手!

夏のボーナスの使い道は、「貯蓄」が48.9%に対し、「高額商品の購入」は5.2%

 先の大震災発生後、初のボーナスシーズンを迎え、低迷した消費の活性化が期待される中、夏のボーナスの受け取り予想額を聞いたところ、例年よりも減額すると見込んでいる傾向であることが判明しました。「とても増えそう」「やや増えそう」と答えたのが12.0%しかおらず、「とても減りそう」「やや減りそう」と答えたのは43.1%で3 倍以上の差がありました。【図表1】

夏のボーナス支給額

 今夏のボーナスの使い道を聞いたところ、全体的に「貯蓄」の割合が高く、消費が控え目になる傾向であることが判明しました。「貯金・貯蓄」が48.9%と最も多く、一方で「旅行・レジャー」24.6%、「趣味」15.0%、「飲食・グルメ」10.2%、「高額商品の購入」はわずか5.2%となっており、いわゆる”自分へのご褒美”に対する投資は全体的に低い結果でした。【図表2】消費の活性化が期待できるタイミングですが、大きな変化は見込みにくいようです。

夏のボーナスの使用用途

全体的に「消費」よりも「貯蓄」が優先される傾向。ただし、年代が上がるにつれて、その意識は低下。

 例年と比べて、どれくらい貯蓄・消費するのかを聞いたところ、「例年通りのバランスで貯蓄・消費する」が62.3%と最多でしたが、「貯蓄を優先する」と答えたのが28.5%で、「消費を優先する」の回答7.9%の3 倍以上の数値を集めました。【図表3】

今年の夏のボーナスの貯蓄・消費バランス

 次に「例年以上に貯蓄を優先する」の回答を年代別に見たところ、年代が高くなるにつれて数値が低くなっていることがわかりました。若い人ほど貯蓄意識が高く、年代が上がるにつれて低くなる傾向にあります。30-50 代男性は、ボーナス期の消費が経済活性化に影響する重要性を理解しているのかも知れません。【図表4】

例年以上に貯蓄を優先する

② 消費意識は、「省エネ」「環境性」志向が一段と高まる!

震災前後の意識変化で、より「省エネ」や「環境」に配慮された商品を選ぶ傾向に。特に40-50代男性で顕著。

 更に消費意識を分析すると、震災前に比べ「省エネ」や「環境性」といった要素を選ぶ傾向が強まっていることが明らかになりました。消費判断において重要だと思うことを聞いたところ、「省エネ」に53.0%が回答震災前の28.5%よりも大きく上昇していることが判明しました。【図表5】 また、「環境性」は31.1%で、こちらも震災前の18.7%よりも数値が高くなっていました。【図表6】

 一方で、「流行」や「ブランド力」は、それぞれ震災後5.6%(震災前11.6%)、13.6%(震災前21.5%)となっており、意識が下がっています。

 未曾有の震災を機に、人々の消費意識は変わり、話題性だけの流行りの商品ではなく、「省エネ」や「環境」へ配慮された商品を選ぶ傾向が急速に高まっています。

 なお、「省エネ」「環境性」の震災後の数値を年代別に見てみると、40-50 代男性は他世代と比較して、それらの意識が高い傾向が見られました。【図表7】

消費判断において、「省エネ」は重要だと思う
消費判断において、「環境性」は重要だと思う
図表5~6 の年代別内訳

③ 【分析総括】 市場活性化のカギは?
「省エネ・環境性」×「デザイン性」が今後のヒット要因。注目商品 消費の牽引役は40-50 代男性

「新型扇風機」「高級自転車」「新型ハイブリッドカー」など機能性とデザイン性を持つ製品に注目が集まる。支持層の中心は40-50 代男性。

 次に、消費において「省エネ」や「環境」への配慮意識が高まっていることに着目し、そのような要素を含んだ商品を分析しました。メーカーや量販店などにヒアリング調査を実施したところ、高額ながら「新型扇風機」や「高級自転車」、「新型ハイブリッドカー」といった商品が注目を集めていることがわかりました。

 これらの商品の特徴は、全て省エネ・環境性能といった機能性と、優れたデザイン性を兼ね備えていることです。震災に端を発したエネルギー不足・電力供給問題から、省エネ商品は関心を集めており、また単に省エネというだけでなく、スタイリッシュなデザイン性を兼ね備えた商品は高い評価を得ています。

 各商品の購買層を調べると、40-50 代男性を中心に支持を集めていることが分かりました。前述した「省エネ」「環境性」意識の高さに起因した事実といえます。

バルミューダ <GreenFan2>
電力供給問題から、エアコンよりも電力消費を抑えることができる新型扇風機が注目。中でも、従来の扇風機よりも消費電力を90 % カットし、また、10 時間コンセントなしでも可動する「GreenFan2」が人気だ。同製品は2010 年グッドデザイン賞を受賞するなど見た目の評価も高い。販売店に問い合わせたところ、「40-50 代の男性に特に人気」とのことだった。
トヨタ自動車 <プリウスα>
震災以降、燃費効率の良いハイブリッドカーが注目されている。「プリウスα」は5 月13 日の発表前から、異例のペースで予約受注されており、5 月22 日時点で、既に3 万9000 台に達している。30-50 代男性を中心に人気。ショールームに問い合わせたところ、「省エネ観点からの問い合わせが多く、試乗予約も2週間待ちの状態。スタイリッシュなデザイン性も高評価」とのことだった。
ブリジストンサイクル <アンカーシリーズ>
3 月の大震災以降、自転車は通勤などの移動の手段として購入されることが増えている。30-50 代男性を中心に売れているとのこと。中でもブリジストンサイクルの「アンカーシリーズ」は人気を集めているとのこと。高い性能とスタイリッシュなデザインにより、注目されている。
<シーリングファン>
電力供給問題から、電力消費を抑えつつ、快適な空調環境を楽しむことができるシーリングファンが注目を集めている。販売代理店によると、「元来は商業施設の利用が多いが、省エネ機運
の高まりとともに、ここ一ヶ月ほど、一般の方からの問い合わせが増加。40 代男性を中心に関心を集めている。」とのこと。

「省エネ」「環境」意識の高い40-50 代の消費行動が市場活性化に繋がる! (金子氏)
 結果を踏まえ、金子氏は「経済活性化の足がかりとなるボーナスシーズンに、『消費』よりも『貯蓄』が優先される傾向ですが、こういった状況下でも、時流を捉えた消費行動をしている40-50 代男性に期待できますね。
 彼らは、他世代に比べ、消費基準において『省エネ』『環境性』を重要視している特徴があります。また、元来、見た目の判断(直感)と商品の機能性(本質)をバランス良く捉えた”二目惚れ買い(次節参照)”をしており、モノで自己意識を表現する世代であることが分かっています。そのため、高額な商品でも社会性に優れれば、購入に踏み切る傾向が強いようです。震災の影響で市場環境が変化した今後も、消費を牽引していく可能性が高いでしょう」と分析しています。
■調査監修者 流通ジャーナリスト 金子 哲雄 氏
流通ジャーナリスト・プライスアナリスト・経済産業大臣登録中小企業診断士。
株式会社ジャパンエナジー(JOMO、現・JX ホールディングス)入社後、
サラリーマン生活を経て独立し、流通ジャーナリスト兼プライスアナリストとなる。
一般社団法人 丸の内買物研究所 主席研究員。 現在、TV・雑誌など中心に幅広いメディアで活躍中。
金子 哲雄

【参考】<2011 年3 月1 日~2 日実施調査>市場活性化のヒントを探る!
40-50 代男性の消費特性

~バブル時代からの経験で培われた、彼ら特有の消費行動”二目惚れ買い”とは~

バブル時代は、”一目惚れ買い”。 “大胆さ”、”見た目重視”の消費から経験は始まった。

 「省エネ」「環境性」といった特徴があれば、購入意識の高まりを見せている40-50 代男性の消費特性は、どういった経験に基づいているのでしょうか?その答えを探すべく、3 月に実施した「40-50 代男性のバブル期~現在までの消費意識・行動の変遷調査」を元に分析しました。

 彼らは20 年前のバブル時代に、国内外のブランドブームなど”流行を追いかける文化”を経験し、消費を通じて自身を表現してきました。1980 年代後半の消費感覚を見てみると、若くして非常に大胆な消費傾向が見受けられました。「20 代の頃、100 万円以上の製品を購入したことがある」の問いに対し、現40-50代男性は51.3%が経験ありと回答し、「嫌消費」、「コスパ世代」などと表現される現在の20代との比較においても、彼らが過渡期とはいえ、その差は歴然
な状況といえます。【図表8】

 さらに、「見た目の良さやデザインだけで購入してしまうことがある」という問いには、現在よりも20 年前のほうが2倍以上高い値となるなど、世論に流されることが多く、自己の消費基準が明確でなかったことから衝動買い、言うなれば”一目惚れ買い”を行っていた当時の消費癖を垣間見ることができました。【図表9】

20代のときに100万円以上のモノを買ったことがある
見た目のよさや、デザインだけで、商品を購入してしまうことがある

そして現在は、経験で培った「本質」と「直感」のバランス判断。 その消費行動を“二目惚れ買い”と分析。

続いて、現在の消費の価値観を聞いたところ、「見た目やデザインの良さに加えて、商品の性能・品質を見極めて購入する」と44%が回答。バブル期よりも大きく上昇していることが判明しました。【図表10】

20 年前よりも現在の自身の”目利き”を強く信じている結果となり、豊富な消費経験からその”審美眼”を見いだしたと考えられます。

すなわち、商品の性能や活用法という”本質”と、デザインやフォルムなど今までの購入経験に基づく”直感”をバランス良く捉え、見極めて惚れ込んだモノを購入する傾向が浮き彫りになったことから、バブル期の“一目惚れ買い”から、“二目惚れ買い”に進化したと分析しました。

見た目やデザインの良さに加えて、商品の性能・品質を見極めて購入する

“一目惚れ買い”から”二目惚れ買い”に進化した理由

理由1:“自分なりの価値基準”を身につけた。 流行に乗ることが全てじゃない!と”後悔”から学んだ世代。

“消費花盛り”な時代を過ごした彼らは、”後悔”から、モノ選びにおける慎重さを学びました。実際、「流行りの商品を購入した中で、失敗・後悔をしたことがある」と聞いたところ、40-50 代男性の37.5%が”ある”と回答しました。【図表11】

また、40-50 代の若者時代は、消費文化を良い意味で”楽しむ”感覚が高かったといえる一方、”流行”という世論や環境に惑わされ、買い物に対して自己の基準が確立されていないまま行っていた印象が見受けられます。当時は、「スキーブーム」や「ディスコブーム」など、”右向け右”の流行が全ての時代。”乗り遅れる”ことが若者文化では最大の汚点であり、その勢いが、本傾向を生み出していたと考えられます。

しかし、その考えも現在では半減。消費の経験値を得て、今の彼らは”流行り”が全て!の感覚から自分なりの価値基準を生み出し、冷静な判断や慎重さを身につけたと言えるでしょう。【図表12】

流行りの商品を購入した中で、失敗・後悔したことがある
商品を購入する時にはブランドや知名性よりも自分なりの評価を優先している

理由2:“社会意識”が向上した。 急成長な購入指標。今の若者よりもその意識は、はるかに高い!

2 番目の特徴は、”エコ”意識の急速な上昇。近年、社会的な高まりを見せている傾向にありますが、この3 月の調査では興味深い点が見受けられました。それは、現20 代男性との意識の差です。

「環境に配慮した商品に関心がある」の問いかけに40-50 代男性の31.2%が”ある”と回答しましたが、20 代男性はわずか13.5%に留まり、20 代男性と比較して、2 倍以上の意識があることを確認できます。現代の若者ほど”エコ意識”が高いと思えそうですが、相反する結果が生まれています。40-50 代男性は、”環境に配慮する”といった世論にも気を配り、社会人として正しい理解と判断が行えているといえます。彼らの”モノ選び”の視点として、見逃せない要素です。【図表13】

環境に配慮した商品に関心がある

■消費意識調査 概要

◎「”震災後初のボーナス” 消費に関する意識調査」
調査対象者 :以下、全てに該当する20 代-50 代男性 各250 名(10 代刻み)
【内、有効回答数:20 代250 名、30 代250 名、40 代250 名、50 代250 名 合計1,000 名】
・1 都6 県在住
・震災当日から実査当日まで避難等せず、通常通りの生活をしている
・過去3 年、夏のボーナスを貰っており、今年の夏のボーナスも貰う予定
調査方法 :インターネット調査
調査実施会社:株式会社シタシオンジャパン
調査実施期間:2011 年5 月21 日~5 月22 日

◎「40‐50 代男性のバブル期~現在までの消費意識・行動の変遷調査」
調査実施理由:2011 年2 月がバブル景気の崩壊から20 年の節目であったことを受け、当時20-30 代を過ごした「現在の40-50 代男性」の、バブル期から現在に至る消費意識・行動の変遷を探るために、調査を実施。
調査対象者 :1980 年代後半に東・名・阪(近郊含む)在住していた全国の年収500 万円以上の男性1,000 名と、全国20 代男性100 名。
【内、有効回答数:40 歳~59 歳男性1,000 名、20 代男性89 名 合計1,089 名】
調査方法 :インターネット調査
調査実施会社:株式会社シタシオンジャパン
調査実施期間:2011 年3 月1 日~3 月2 日

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